金融機関と対等に接するために

もし、銀行の担当者から、「融資を引き揚げる。」と言われたら、平常心でいられるでしょうか。残念ながら、相手に知識がないと見れば、このような事を平気で口走る銀行員がいることも事実です。

先日あったA社様の事例です。

業績は大変良好ですが、急激に売上が伸びたため資金繰りが苦しくなり、あるメガバンクから10回払いのプロパー融資1,000万円と保証協会の保証付き融資2,000万円を受けました。しかし、それだけでは資金が足りないため、「もっと資金を調達したい。」とのことでご相談に来られました。

進行期の業績が伸びていたため、決算を締めた後の方が大きく資金調達を行えると判断し、ある地銀にアプローチして、決算後に、保証協会とプロパーの合算で、最大限の融資を検討してもらうよう段取りを進めていました。

決算が出てから数日後、A社の社長様より、「メガバンクから6,000万円の保証付き融資の提案を受けた。」との連絡がありました。業績面から見て、それぐらいの保証は出るだろうと考えており、地銀とは、そこからさらにプロパーをどれぐらい積めるかを検討してもらっていましたので、社長様には、メガバンクへの回答は一旦ペンディング、もしくは追加でプロパーを検討してもらえるかを聞いていただくよう依頼しました。

翌日社長様から連絡があり、メガバンクに話したところ、「まずは保証付き融資を借りて欲しい。それからプロパー融資は検討する。また、最初に融資をしたことを評価して欲しいと考えており、当行で借りてもらえないなら、今貸している融資を引き揚げる可能性もある。」と言われたとのことでした。

A社の社長様は、創業以来数年間、自己資金だけで経営をしてこられ、昨年の公庫とメガバンクの借入が初めての借入でした。金融機関対応には慣れていませんので、このようなことを言われれば、当然驚いてしまいます。

このような話は、お客様経由でしばしばお聞きします。本件に限らずですが、延滞もなく契約通り履行している融資を引き揚げられる可能性はありません。本当につまらない脅しですが、金融機関取引に慣れていない社長様であれば従ってしまいます。
金融機関取引に慣れた社長様でも、業績が悪化した局面でこのような事を言われれば必ず動揺します。

もちろん、このような銀行員はほんの一握りです。銀行員全員を毛嫌いして、いたずらに敵対意識を持って応対することは得策ではありません。このような銀行員に出会った時の対処方法は、やはり、金融財務の知識を身につけるか、知識を有した相
談相手を持ち、知識で対抗するしかありませんね。

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。

旧年中はみなさまに大変お世話になり、おかげさまで当事務所も昨年11月1日で無事に一周年を迎えることができました♪

ひとえにみなさまの日頃のご厚意のおかげだと感謝しております。

また、同日平成28年11月1日には(株)Fiscal agentを起ち上げました。

この法人は事業経営に必須な要素である「経営」「金融」「会計・税務」のすべてを支援するため、税理士事務所では対応しきれない「経営」「金融」の支援を中心に行うために設立いたしました。

経営暎計画の策定と実行支援並びに融資計画の策定や銀行対応などみなさまの会社の財務部長的な役割を担えればと考えております。

今後は浅井政晃税理士事務所と連携してお客様の事業経営を支えていきたいと考えております。

本年もどうぞよろしくお願いします!

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