正しい財務戦略のセルフチェック♪

『正しい財務戦略のセルフチェック』
…小規模事業に適した財務戦略を確認しましょう(^^♪
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

企業活動を永続的に行うためには、「資金繰りに困らないこと」が最も重要です。円滑な資金繰りを実現するためには、「正しい財務戦略」が欠かせませんが、中小企業向けに書かれた財務の教科書はほとんど無く、各経営者様が手探りで銀行対応等の財務活動を行っているのが実情です。

財務戦略を間違ったばかりに、本来は受けられたはずの融資を受けられず、経営危機に陥ったり、新たな設備投資のチャンスを逃したりするケースを多く見てきました。貴社は大丈夫でしょうか。下記セルフチェックで確認してみてください。

■中小企業のための「正しい財務戦略」セルフチェック!
次の質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。

1.銀行は資金繰りに困った中小企業に融資をするのが仕事だ。
2.銀行の担当者に融資をすすめられたが必要無いので断った。
3.銀行から融資を受けるなら知名度の高いメガバンクが良い。
4.今借りている融資を完済するまで新たな融資は受けられない。
5.銀行には自社の情報を詳しく伝えすぎてはいけない。
6.今借りている融資金を完済するまで次の借入は出来ない。
7.2つの銀行から融資の提案を受けているが金利(だけ)で
選ぶべきだ。
8.銀行員に流動比率の低さを指摘されたので仕入の支払サイ
トを縮めよう。
9.銀行員の対応が気にいらないので嫌がらせをした。
10.銀行員も人間なので圧力や頼み込むことで融資を受けや
すくなる。
11.そもそも借入は出来るだけしない方が良い。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

以上の質問にひとつでも「はい」があった方は、間違った財務戦略を実践している可能性があります。意外に思う項目もあったかと思いますが、基本的にはすべて逆の対応をした方が良いと考えています。世間一般に正しいとされる財務戦略は大企業や中堅企業向けのものが多く、中小企業が実践すべきではないものも多く含まれています。

弊所では、中小企業に特化した実践的な財務戦略や銀行対応の方法を日々研究しており、中小企業経営者のみなさんの資金繰り円滑化に貢献することを使命と考えております。ひとつでも「はい」があった方は、お早めにご相談いただければと思います(*^-^*)

 

値段のつけ方どうしてますか?

創業時・新規事業の販売価格はどうやって決めていますか?

…高単価、高粗利の商品・サービスでスタートしよう!

先日、資金調達支援の依頼があり、あるベンチャー企業の新規事業プレゼンをお聞きしました。今回取り組みを検討している新規事業は、既に世の中にあるサービスを、より良いやり方に変えて提供するというもので、ある大手企業のサービスと比較しながら、自社のサービスを大変分かりやすく解説していただきました。

「大手企業のサービスは、効果が低いにも関わらず、営業力だけでシェアを伸ばしている。」という前提に立ち、「自社の新サービスは、ITを駆使することで、より手厚いサービスを提供できるため、大手のサービスよりも効果を出せる。」という説明です。社長は自信に満ち溢れた口調で、説明のひとつひとつも理にかなっていたので、「確かにこういうやり方をすれば効果は倍増するかもしれないなぁ。」とポジティブに話を聞いていました。

プレゼンの最後は、いよいよ価格面を含めた収益の説明です。
期待して説明を聞いていたのですが、出てきた価格設定に少し驚きました。社長が設定した販売価格は大手企業の半額以下、同社の利益部分に関しては1件あたり月額数千円です。あれだけ自信を持って大手のサービスよりも良いものだと説明してきたのに、なぜこんなにも安い価格でサービスを提供しなくてはいけないのでしょうか。

社長の回答は以下の通りです。
1.安い方が受注が増えやすい。
2.ITを使っているのでこの価格でも利益を出せる。
3.いくらなら買うかというアンケートの結果である。

様々な考え方があると思いますが、「安ければ売れる。」「高ければ売れない。」というのは妄想だと感じます。まずは、「効果がある。」というのが重要なポイントであり、効果がなければ「無料」でも売れません。逆に明確な効果があれば「高値」でも売れます。彼らの説明によると、大手企業よりも「効果のある」サービスを開発したのですから、それが本当であれば、大手企業より安くする必要はありません。高い値段で売れるものを、わざわざ安い値段で売ることは経営としては間違っているように感じます。

次にITを使っているため利益を出せるという点です。計画上の数年後の営業利益を見てみると、確かに10%程度の利益が出ています。しかし、本当に10%が適正な利益でしょうか?
大手企業はテレビCMも流していますが、同社はテレビCMを流せるほどの広告費を見積もっていません。また、改良の余地がない完成品を最初からリリースできる可能性は低いにも関わらず、改良を継続的に行うための予算も見積もっていません。
もっと利益を高く取って、サービスの進化発展に費やせる予算をしっかりと確保しなければ、すぐに競争力を失ってしまいます。

最後に、アンケートを取ったとありますが、大手企業は実際に倍の価格で数万人の顧客を有しています。これから参入しようとする市場の規模をあえて縮小させる必要があるのか疑問です。

マーケットの一定シェアを獲得しなければ黒字転換できない低価格戦略は、一般的な創業者が手に出来る数百万円から数千万円の資金で実現するのは大変困難です。マーケットの一定シェアを獲得するためには莫大な広告費がかかり、また、数量をさばくための多額の人件費や設備投資が必要になります。

資金はないが固定費も小さな小規模企業は、大企業に比べると極めて小さな売上で黒字転換をすることができます。多額の広告費を費やし、大量販売をして市場シェアを獲得するという大企業の戦略ではなく、小さな売上でも黒字転換しやすい、高単価、高粗利の商品・サービスでスタートすることをおすすめします♪

銀行員は目で見たものより書面を信じる?

先日、弊所の顧問先A社の事務所兼倉庫にて、金融機関の現地面談を受けました。その金融機関とは初めての取引となるため、融資審査の一環として、上司と一緒に訪問したいとのご依頼でした。

現地面談とは、新規取引を始めるにあたり、「異常がないか実際に現場を確認しておこう。」という程度のものです。そこまで厳しいチェックを受けることはありません。初めて現地面談を受ける時は、「ごみがひとつでも落ちていないように・・・」等と身構えてしまいますが、普通にしていれば特に問題はありません。

当日は、担当者と融資課長の2名で来社されました。「まあ会議テーブルで軽く雑談をした後、オフィスや倉庫を案内して回る・・・」という段取りで考えていましが、テーブルに着くとすぐに、先日提出した在庫表を持ち出して融資課長が話を始めました。

「決して在庫が多いとは思っていないのですが・・・」と前置きしながら、「数量が多い順に並べ替えたデータは出せないか。」とか、「この商品について過去からの推移は出せないか。」等、あれこれと資料請求が。言葉の端々から、A社の在庫について懐疑的であることが感じられます。

在庫の実在やデッドストックの有無を知りたければ、資料をあれこれ調べるよりも、倉庫を見た方が確実です。大体の在庫の数量は分かりますし、最も量の多いアイテムを見れば、それが売れ残っている商品か、もしくは1年先まで売れる定番商品かが分かります。しかし、融資課長は最後まで倉庫を見に行きませんでした。

せっかく現地まで来ておいて、現物を見ずに帰っていく融資課長の態度に少し腹が立ちましたが、同時に、金融機関にとって最も重要なのは、「書面」であることに改めて気づかされました。融資課長は、決裁者に自分が見てきた話をするよりも、書面やデータで説明した方が有効であると考え、書面の収集に固執したように感じます。

銀行に融資を申し込む際、資料を作って説明するのは手間がかかるため、口頭で説明して済ませた経験のある経営者様も多いと思います。しかし、いくら目の前の担当者に理解してもらっても、決裁者を理解させないと融資は出ません。現在は金融機関も融資手続きの平準化が進められており、会って説明することの出来ない最終決裁者に情報を正確に伝えるためには、やはり書面が有効です。

弊所でも融資手続きのお手伝いを積極的に行っております。こちらの気構えとしては金融機関がいかに融資手続きを円滑に進められるかを手伝ってあげるくらいの気持ちで準備すると良いのかもしれませんね(^^♪