■技術のみでは経営はうまくいきません。
○優秀な設計者でありながら、経営がうまくいかない社長がいます。
○優秀なシェフでありながら、経営がうまくいかない社長もいます。
この様な例は枚挙にいとまがありませんよね。
○設計事務所の経営がうまくいくためには、二つの条件が必要です。
1.設計技術が優れていること。
2.設計事務所の経営力が優れていること。
○同様に、店舗経営がうまくいくためには、二つの条件が必要です。
1.シェフとしての腕が良いこと。
2.店舗の経営力が優れていること。
1.のみ優れた社長は、冒頭のように、技術は優秀でも経営はうまくいきません。考えてみれば当たり前で、設計技術を持ち合わせていないのに設計事務所を開業する社長は居ません、また、調理技術を習得せずに店舗を開業する社長もいませんが、経営に関しては全く事前勉強することなく、かつ、経営を始めても学ばない社長も少なくありません。
故に、2.に関しては生涯素人のままの状態で社長を続けることになります。経営がうまくいかないはずです。
○うまくいく設計事務所の社長は、開業と同時に(以前から)経営に関する勉強を意識して始めます。経営のテーマはある意味あいまいで範囲も広範です。また、正解の定義も難しく、その分勉強方法を見つけるのも大変です。生涯学習です。
それでも、このことを理解している社長は、その事務所経営をうまく進めることができるようになります。勉強しない社長とは雲泥の差です。
○うまくいくシェフ(社長)は、…もちろん同じです。
■I型社長ではなくT型社長を目指してください。
中小企業、特に創業期や創業初期においては、その代表者のスキル・専門性がその会社のすべてです。このスキル・専門性の度合いで、その事業の成否の半分は決まります。一方、企業経営を行うためには、スキル・専門性の他に、企業経営に関する知見が必要になってきます。
◆I型社長…ある分野のスキル・専門性のみを有する社長
◆T型社長…ある分野のスキル・専門性に付加して、幅広く経営に関する知見を有する社長
■答えは案外単純です。
経営に関する勉強を始めること、もっともっと勉強することです。時間とお金を経営力を習得するために投資してください。
専門分野への投資とは切り離した、経営力習得のための時間とお金です。
◆敢えて、経営力習得のための重要なテーマを上げるなら…
・自社のビジネスモデルについて
・値決め、価格設定、利益(目標は営業利益20%)
・自社の事業領域、特化すべき(絞るべき)ポイント
・財務、資金繰り、金融機関対応
・社長自身の時間の配分、属するコミュニティー、師について
・お金の使い方
・ベンチマークすべき対象企業、具体的なベンチマークの方法等がおすすめです。
■無知の損とは…知らないことで損をすることです。『無知の知』(=知らないことを自覚すること)の境地で、幅広い知見を継続して習得する生き方をおすすめしす。
例えばロングホールで、ショートアイアンを持って、力一杯遠くに飛ばそうとするゴルファーがいたとします。ここでドライバーを持てば倍は飛びます。(私の場合はあらぬ方向に飛んでいくのでアイアンの方がいいかもしれませんが(-_-;))
ゴルフの世界でドライバーを知らない、こんなことはありませんが、経営の世界ではよくある話です。ドライバーの存在を知らないでゴルフをしている社長は、案外たくさんいます。経営における勉強とは、ドライバーというクラブを知ることです。
よいクラブも腕を上げなければ意味を成しませんが…
そうは言っても経営力を習得する時間はみなさん無いという方も多いかと思います。当事務所ではそんな方の経営計画をベースとした経営支援、銀行対応も含めた金融支援を積極的に行っています。
ぜひご相談いただければと思います。